『黒神話:鐘』タイムライン:悟空の成功から新プロジェクト発表まで
黒神話:鍾馗

『黒神話:鐘』タイムライン:悟空の成功から新プロジェクト発表まで

『黒神話:鐘』が構想段階から正式発表に至るまでの完全なタイムラインを整理する。『黒神話:悟空』リリース後のチーム動向、DLC計画の白紙化、新プロジェクトへの意思決定プロセスなど主要な転換点を含む。

『黒神話:鐘』の誕生は突発的な決定ではなく、ゲームサイエンスの設立当初から流れ続けてきた一筋の川のようなものである。2014年に七人の創設メンバーが深圳で最初のコードを書き始めてから、2025年にGamescomで鐘のベールが脱ぎ捨てられるまで、この旅路は十数年にわたって伸びている。本稿は時系列に沿って、悟空の開発から鐘の発表に至るまでの全貌を整理するものである。

前日譚:悟空の開発期(2014〜2024)

2014年6月:ゲームサイエンス設立

馮驥(フェン・ジー)、楊奇(ヤン・チー)ら七人の元テンセント『闘戦神』中核開発メンバーがテンセントを離れ、深圳でゲームサイエンス(深圳市遊科互動科技有限公司)を創設した。チームはまずスマートフォンゲーム『百将行』(2015年)と『戦争芸術:赤潮』(2017年)を開発し、開発経験と資金を蓄積した。この時期、楊奇は二度にわたり黒神話プロジェクトの構想を提起した。2016年の初回提出は時期尚早として見送られたが、2017年に再び持ち出した後、ついに馮驥は腹を括った。

2018年2月:黒神話:悟空が正式始動

杭州スタジオが設立され、『黒神話:悟空』プロジェクトが正式に始動した。その後六年間、チーム全体が西遊記という題材をめぐって開発に没頭した。楊奇はこの期間、『西遊記』の視覚世界に深く浸り、花果山から火焰山、天宮から地府に至るまで、完全な中国ファンタジー美術体系を構築した。

2020年8月20日:悟空の初トレイラーがネットを席巻

『黒神話:悟空』の13分間の実機プレイ映像が公開され、Bilibiliでの再生数は瞬く間に千万を突破、世界中のゲームコミュニティに衝撃が走った。この日が「8月20日」を黒神話の伝統的な発表日とする慣例を定着させることとなった。

2021年3月:テンセントによる投資

テンセントが少数持分の出資を行い、以降の開発に十分な資金基盤をもたらした。この投資により、ゲームサイエンスは創作の独立性を保ちながら、業界最大手のリソース支援を得ることとなった。

悟空のリリースと成功(2024年8月)

2024年8月20日:歴史的な発売日

『黒神話:悟空』が正式に発売され、PCおよびPlayStation 5で配信された。発売前の期待は中国ゲーム史上かつてない高さに達していたが、実際の成果はほぼすべての予想を上回った。

発売から三日以内に、販売本数は1000万本を突破した。Steamプラットフォームでの同時接続者数ピークは220万人を超え、Steam史上第二位を記録した。新華社は『黒神話:悟空』を「中国初のAAAゲーム」と評し、この評価自体が一つの文化現象となった。

2024年9月:一か月で販売2000万本を突破

わずか一か月後、『黒神話:悟空』の累計販売本数は2000万本を突破し、世界規模でも現象的な成績となった。TGA、Steam Awards、DICE、BAFTAなど国際的な賞のノミネーションと受賞が相次いだ。

転換点:DLCの断念

2024年後半〜2025年初頭:DLC計画の推進期

馮驥の述懐によれば、『黒神話:悟空』発売後の「半年余り」のあいだ、チームは「まずDLCを作る」という方針で作業を進めていた。馮驥は「いくつか方向性を確定し、設定を書き、会議を重ね」、チームは「本格的に動き出していた」という。つまりDLCは絵に描いた餅ではなく、すでに実質的な初期開発段階に入っていたのである。

この時期、チームメンバー――とりわけ楊奇――の心境には微妙な変化が生じていた可能性がある。十数年にわたる西遊記題材での創作の蓄積、『闘戦神』から『黒神話:悟空』に至るまで、楊奇はずっと同じ世界観と向き合ってきた。一人の芸術家として、新鮮な創作への渇望は、悟空の成功後の安堵期にこそいっそう強まっていたのではないか。

2025年4月:鐘の構想が芽生える

楊奇の微博(Weibo)で明かされたところによれば、2025年4月、楊奇は北京で「魏師」と火鍋を囲んでいる最中に、鐘という構想の方向性を思いついた。この逸話はきわめて生き生きとしている。ゲームサイエンスの向こう数年を左右する重大な決断の出発点が、ほんの日常的な食事の席での何気ない会話だったとは。楊奇の言う「創作一事、機縁が大事」がまさにここで裏付けられている。

新プロジェクトの決断:馮驥と楊奇が意気投合

2025年春:あの決定的な対話

馮驥はSNSでこの重要な面会を次のように振り返っている。

「楊奇上午給我留言,説『有重要的事兒想請教下』。……見到他,我問的第一句話是,『你是不是不想做DLC,想做新的?』釋然的,欣然的,順理成章的,我倆一拍即合。」

(楊奇は午前中にメッセージをくれて、「大事な件があって相談したい」と言ってきた。……会って私が最初に聞いたのは、「DLCはやりたくなくて、新しいのがやりたいんだろう?」だった。肩の荷が下りた、嬉しかった、当然の流れだった。二人は即座に意気投合した。)

いくつか注目すべき点がある。第一に、楊奇が「大事な件があって相談したい」と切り出していることから、この提案をする際にも彼なりの躊躇があったことがうかがえる。DLC計画はすでに数か月進んでおり、それを覆せば投入済みの作業を見直す必要がある。第二に、馮驥の最初の反応が驚きではなく「DLCはやりたくないんだろう」という問いだったことは、彼が楊奇(あるいは彼自身)の心境変化をとっくに察していたことを示している。第三に、「一拍即合」という四文字は、新プロジェクトへの転換が一時の衝動ではなく、二人の創設者による長期にわたる熟慮の末の合意であったことを暗示している。

その後、チームはDLC開発から『黒神話:鐘』という全く新しいプロジェクトへと舵を切った。馮驥が挙げた理由はこうである。新作はチームに「手足を伸ばし、大胆に試み、定法に囚われず、ゼロから始める」ことを許してくれる。

Gamescomでの発表(2025年8月20日)

2025年8月20日:二重の記念日

この日はいくつもの意味を背負っている。第一に、『黒神話:悟空』発売一周年の記念日である。第二に、『黒神話:悟空』がXbox Series X/Sで配信され、全プラットフォームへの展開が完了した日でもある。そして第三に、この日は『黒神話:鐘』の正式な場に立ち会った日であった。

Gamescom Opening Night Liveにおいて、CGティザートレイラーが全世界に向けて鐘の姿を披露した。Geoff Keighleyは本作を、「ghost-catching god who wanders between Hell and Earth」を主人公とする新ゲームとして紹介した。公式FAQが同時に公開され、SNSアカウント名は「Black Myth: Wukong」から「Black Myth」へと改められた。

発表後、馮驥と楊奇はそれぞれSNSで、DLCから新作への転換に至る意思決定の経緯を詳しく説明した。この珍しいほど率直な開示は、プレイヤーコミュニティから広く好意的に受け止められた。

現在の状況

本稿執筆時点で、『黒神話:鐘』はまだ極めて初期の開発段階にある。公式の表現では「フォルダを作ったばかりで、実機映像はまだ影も形もなく、ストーリー大綱すら書き終わっていない」という。チームはプロジェクトのコンセプトデザイン、世界観の構築、大綱の執筆など基礎作業に取り組んでいるところである。

開発チームの公開発言と業界の慣例に照らせば、現時点から正式発売まで少なくとも三〜五年は必要と見込まれる。その間、毎年8月20日はプレイヤーにとって新情報を得るための重要な窓口となるだろう。


2014年の深圳のオフィスから2025年のケルンの世界的ステージへ、ゲームサイエンスは十一年をかけて創業チームから世界的スタジオへの道を歩み切った。今、彼らはそのすべてをゼロに戻し、空のフォルダからもう一度やり直すことを選んだ。馮驥が「ゼロから始める」と語ったときの口調は軽かったが、その四文字の背後にどれほどの勇気が潜んでいるかは誰もが知っている。3000万本という輝かしい実績の後に、最も困難なのは成功を続けることではなく、あえて再出発を決意することである。